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2023.03.22お知らせ

第3回日本世代間交流学会誌 優秀論文賞/奨励賞発表

前年度発行誌を対象とした論文賞/奨励賞の選定が4月より行われ、9月3日(土)開催の第13回全国大会内総会にて下記の通りに決定致しました。


【優秀論文賞】 村山 陽 先生

ご所属:東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加と地域保健研究チーム

受賞投稿:2021年9月発行 Vol.11 No.1 掲載

小学校における高齢者の読み聞かせボランティア活動が児童の共感的関心の向上に及ぼす影響‐親密な関係性の構築に着目して‐


受賞者よりコメント

この度は、日本世代間交流学会誌論文賞を頂くことになり、大変光栄に思っております。

この場を借りまして、お世話になった先生方、研究活動の中でお世話になった全ての方々に深く御礼申し上げます。

本研究では、絵本の読み聞かせ高齢者ボランティアとの交流授業に参加した小学6年生を介入群と待機群に分けた上で交流前と交流後に調査を行い、高齢者との交流が児童の共感的関心(同情や思いやり)に及ぼす影響を検証しました。また、交流後にグループインタビューを行い、児童の高齢者ボランティアに共感する経験(共感経験)を捉えました。

その結果、交流授業を通して高齢者との親密さが高まることで、児童の共感的関心が向上することが認められました。また児童は、交流の中で高齢者の立場になって考える“気持ちの想像”、高齢者の児童を受け入れる姿勢を感じる“受容的態度”、高齢者との違いを認識する“違いの認識”、高齢者との話し方に配慮する“会話への気配り”といった共感経験をしていました。こうしたことから、世代間交流プログラムにおいて高齢者との親密な関係を築き、そこで様々な共感体験をすることが子どもの思いやりの心を育むことにつながることが分かりました。

今回頂いた賞には、これからもっと研究に向き合っていきなさいという叱咤激励の意味が込められていると思います。その思いに答えられるように、これからも愚直に・真摯に取り組んでまいりたいと思います。



【奨励賞】 松本 大祐 先生

ご所属:兵庫県立大学大学院環境人間学研究科

受賞投稿:2021年9月発行 Vol.11 No.1 掲載

     剣道を通した交流が中学剣道部員の高齢剣道実践者イメージに与える影響

     ― SD法による測定と横断分析 ―


受賞者よりコメント

この度は、第3回日本世代間交流学会誌奨励賞を賜り、大変光栄であると同時に気の引き締まる思いでございます。

本研究は、高齢者との稽古経験を有する中学剣道部員における高齢剣道実践者に対する情緒的イメージとその関連要因を明らかにしたものです。

国際社会の進展に伴い、伝統文化を尊重する教育が推進されているなかで、伝統文化に子ども達が興味・関心を持てるような交流を行うことが重要だと感じております。

この場を借りて、御指導頂きました共著の先生方、快くアンケート調査に御協力頂きました中学校の先生方および中学生の皆さんに心から感謝申し上げます。

近年は新型コロナウイルスの影響により、従来の形での世代間交流が難しくなっておりますが、新しい交流の形を模索しながら、今後も世代間交流の進展に向けて精進してまいります。



【奨励賞】森 裕樹 先生

ご所属:東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加と地域保健研究チーム

受賞投稿:2022年3月発行 Vol.11 No.1 掲載

     学校と地域の連携によるあいさつ運動の取組効果と展望


受賞者よりコメント

このたびは、第3回日本世代間交流学会誌奨励賞を授与頂き、大変光栄なことと存じます。

本研究は、学校が地域と一体で進めるあいさつ運動の取組効果について、小・中学校の教員によるあいさつ運動への期待の高さと、その関連要因を明らかにしたものです。あいさつ運動は、学校が地域の多世代住民を緩やかに結ぶ重要な活動の1つに位置付けられますが、教員の協力なしでは成り立たない活動です。本研究の知見が、今後のあいさつ運動の発展に少しでも寄与できれば幸いです。

最後に、本調査にご協力を頂いた学校の先生方、関係者の皆様には、この場をお借りして心より御礼申し上げます。また、本論文の共著者、査読者の先生方には、本研究に対する有益な視座とご助言を頂きましたことを深く感謝申し上げます。ありがとうございました。



表彰式は第13回全国大会で行われ、後日学会より副賞が送られました。